ポール・デズモンドやズート・シムズと同じく白人アルトサックス奏者ですが、作曲家としても高く評価しており、彼の作曲したオリジナルが結構好きです。メロディーやアドリブ、演奏の展開などは初心者に判りやすく親しみやすいジャズです。麻薬の影響で度々活動を休止したりしていますが、1982年脳溢血で死去する最後の年まで、'70年代中頃から精力的にアルバムを沢山出しています。'77年には日本でのライブを録音しています。しかしっ!…異論を唱えるファンも多いかもしれませんが、何と言ってもピークは、'50年代だったのではないかと考えます。実際彼の録音した代表盤の中で、'52'53'54「サーフ・ライド」、'56「モダン・アート」、同年「カルテット」、'57「ミーツ・ザ・リズムセクション」などは特に初心者に勧めたい名盤です。'40年台、多くの巨匠を輩出している名門、スタン・ケントン・オーケストラでまだ10代の頃から花形プレイヤーとして注目され、'50年代に入ってすぐに自己アルバム、'52'53'54「サーフ・ライド」('52年当時27歳)を録音します。これはリーダーとして始めて出したにも拘らず非常に完成度の高い作品で、12曲中2曲を除いて他10曲全てオリジナルと言う構成ですが、「"ウエスト・コースト・ジャズ"とはこれ!」と言い切ってしまいたいくらい西海岸の風吹いてます。バックアップも凄い!。例えば、ピアノに日本の古いファンには御馴染みの"うまさん"こと、ハンプトン・ホーズやチェット・ベーカーと名盤を録音している、ラス・フリーマン等がいます。そしてこのジャケもいいしね。さて、その後、「サーフ・ライド」を録音したレーベル「サヴォイ」から「イントロ」に移り「モダン・アート」。またレーベルが変わり、「タンパ」から「カルテット」。そして、今度は「コンテンポラリー」に移籍、「ミーツ・ザ・リズムセクション」を、'56'57年の2年間で代表盤を立て続けに録音することになるのです。しかし何でこんなに移籍が多いんだろうなあ。恐らく背景には妥協を許さないのと試行錯誤を繰り返すアーティスト特有の性分があったのではと推測します。参加盤にもいい物があります。'59映画「お暑いのがお好き」のサントラでギタリスト、バーニー・ケッセルの名盤で、「スモーク・ライク・イット・ホット」。歌手メル・トーメの最も知られた代表盤、'60「スイング・シューバート・アレイ」。アート・ペッパー当時35歳のこの年には、代表作とまではいきませんが、自身名義の名盤、「インテンシティ」をも録音しています。
注意:作品「モダン・アート」に関して●前述のレーベル「イントロ」から出ている盤と、翌年「コンプリート・アラディン・レコーディングスvol,2」と題されたブルーノート版がありますが、ボーナストラックが付いてるブルーノート版をオススメ。 |