これは、ピアノ、ビル・エバンス ベース、スコット・ラ・ファロ ドラムス、ポール・モチアンからなるモダンジャズ史上最高のトリオと評される、ビル・エバンス・トリオの僅か2枚のみのスタジオ録音の片方です。もうひとつはこの2年後の、
'61「エクスプロレーションズ」です。さて、本作、「ポートレイト・イン・ジャズ」が録音された、
'59年はマイルス・デイビスの
「カインド・オブ・ブルー」に参加した年で、この作品を期に"モード"と呼ばれる新しいモダンジャズのスタイルが生まれました。従って、「ポートレイト・イン・ジャズ」もモードスタイルを語る上で重要かもしれません。作品全体としては、ビル・エバンスのアンニュイな魅力全開で非常に静かな印象を受けます。2曲目と3曲目のテイク別の2つの"枯葉"についてですが、最初聴いただけでは判らないかもしれませんが、かなり違う演奏をしています。ですから同じのを2度聴かされる不安は必要ありません。また3曲目(後者Take2)の方はモノラルと言う事ですが音質は殆どそん色を感じません。言われなければ気づかない程クリアな音質です。曲自体は哀愁を感じさせるナンバーですが、エバンスはこれらを2つとも軽快に演奏しています。そして4曲目もテンポ良くピアノが弾んでいる、"ウィッチクラフト"。有名曲ではありませんが、解り易いメロディーで初心者の人でも楽しんで聴けます。5曲目、"恋に落ちた時"は、ビクター・ヤングの名作ですが後の「ワルツ・フォー・デビィ」の中でも彼の曲、"マイ・フーリッシュ・ハート"を演奏しています。多分ヤングが好きなんでしょうね。6曲目の"ペリズ・スコープ"はエバンスの作曲ですが、とても明るいです。有名な代表曲"ワルツ・フォー・デビィ"もそうですが、演奏は暗いのに自身で作曲した物には明るい曲が多いようです。7曲目、"恋とは何でしょう"この有名なスタンダードをエバンスが、素晴らしいドライブ感のインプロビゼーションとアドリブで演奏しています。ラファロのベースソロのバックでもエバンスが強烈な"アクセント"を入れています。9曲目の"いつか王子様が"も初心者向きの解り易いワルツです。さていよいよトリは、マイルスとの合作、"ブルー・イン・グリーン"です。"ワルツ・フォー・デビィ"でもマイルスのナンバーが最後でした。とてもゆっくりとしたスローテンポで本作の締めくくりには良い曲です。これを聴いてエバンスの別の盤をもっと聴きたくなるという寸法です。この曲はCDでは別テイクのモノラル版がボーナストラックとして追加されています。
初心者にオススメ!。■
1959年12月ニューヨークにて録音 : レーベル = リバーサイド。■ ピアノ、
ビル・エバンス ベース、スコット・ラ・ファロ ドラムス、ポール・モチアン