本来のタイトルは、「カルテット」。記録ではマリガンとデズモンドは、約4回程録音をしているので、区別をつけやすくするために最初の曲をタイトルにした、"邦題"
の様です。ピアノもギターも無い、アルトサックス、バリトンサックス、ドラムス、ベースというある意味珍しいカルテット構成です。ピアノ、ギターが無いとこんなにも落ち着いた感じになるのかと大発見させられました。全体を通して"柔らかく、暖かい"
印象です。二つのサックスの内低いほうが、ジェリー・マリガンによるバリトン・サックス。高い方が、ポール・デズモンドによるアルト・サックスです。一曲目、「ブルース・イン・タイム」。流れるような二つのサックスがスウイングするノリノリの曲です。途中のジョー・ベンジャミンの長いベースソロが取り立てて難しい技を披露している訳でもないのにたまらなく良いです。2曲目、「身も心も」。作曲は映画音楽のジョニー・グリーン。ジャズシーンではすっかりスタンダードナンバーとして演奏されてます。スイングの時代からベニー・グッドマン・オーケストラの演奏がよく知られています。解り易いメロディーで優しいバラードですがここではマリガンとデズモンドがかなりアレンジしているので、タイトルを知るまでこの曲とは気が付きませんでした。3曲目、「スタンド・スティル」。弾むようなリズムのゴキゲンで明るい曲。マリガンのオリジナルで、2重のエンディングが心憎いです。4曲目、「ライン・フォー・リヨン」。これもマリガンのオリジナル、以前よく演奏していたナンバーらしいです。たった2人のリードしかないのにゴージャスな気分にさせてくれます。デズモンドのアルトソロの間にもマリガンのバックアップが光っています。5曲目、「ウインターソング」。優しいバラード。いかにもデズモンドらしい解り易く叙情的な作曲。6曲目、「バトル・ヒム・オブ・ザ・リパブリカン」。あらゆるジャンルの音楽シーンでよく演奏されるアメリカントラッドのスタンダード、「バトル・ヒム・オブ・ザ・リパブリック」をもじった、デズモンドのオリジナルです。ややアップテンポで二人のサックスの
"転がし" を堪能できます。そして、ここでもベンジャミンのベースソロが聴き物。7曲目、「フォール・アウト」。スキップする様な軽快な曲でソニー・ロリンズのヒット曲、「セント・トーマス」を思い出しました。二つのサックスは
"ダブルストップ" 的な音を止める技を見事にシンクロさせています。
充分初心者推薦盤!。
洋盤は3曲のボーナストラックあり全10曲。
■1957年ニューヨークにて録音。■レーベル : ヴァーブ。■アルト・サックス=
ポール・デズモンド、
バリトン・サックス=
ジェリー・マリガン、ドラムス=デイヴ・ベイリー、ベース=ジョー・ベンジャミン。