ハービー・マンの代表作で名所、"ヴィレッジ・ゲート"でのライブの記録です。
非常に解り易く初心者の人々にお勧めです。録音は'61年、発表は'64年で、'61年に初めてブラジルに渡って以降、ボサノバの名盤を録音していた最も進歩成長していた時期で、ハービー・マンの音楽を語る上で、重要な位置にある作品でもあります。盤全体に渡っての総評としては、リズムは勿論アンサンブルの構成が際立って良いです。ラテン系パーカッションがこれでもかと言う位に活かされ、3曲共に長時間に渡る安定したリズムが強力です。ブラジルに渡る前から如何にラテン音楽に傾倒していたのかを示しています。アルバムは全部で3曲ですが、前の2曲"カミン・ホーム・ベイビー"と、"サマー・タイム"は特にお勧めです。1曲目、"カミン・ホーム・ベイビー"は、鼻をつまみたくなる様なタイトルですが大ヒットした代表曲です。特筆すべきは、この曲を書いた、ベン・タッカーがベースで参加している事です。言われてみれば確かに導入部のベースとドラムスの勿体ぶった、あまりに長い(これがまた良いんですけどね)イントロ、ベースソロの熱い演奏ぶりを見ると頷けます。さて、いきなり話は飛びますが、"パッチギ"と言う映画の中でヒロインの沢尻エリカが夜河原で一人フルートを練習しているシーンが有るのですが、その時に使われていた曲がこのカミン・ホーム・ベイビーでした。映画がそれだけ時代考証をしっかりさせていたという事で、この曲が如何に発表当時ヒットしていたのかを窺い知る事が出来ます。2曲目、"サマー・タイム"。歌劇「ポーギーとベス」の中で使われた、ガーシュインの名曲で誰もが知るスタンダードです。オリジナルのメロディーを打ち崩しながらも、そのテイストを損なわない、そればかりか更に洗練されたフルートとバイブのアレンジは聴き物です。バイブ奏者のハイグッド・ハーディの唸り声が耳障りですが、…まあ、慣れます。3曲目、"イット・エイント・ネセサリー・ソー"。殆ど20分に近い時間、各楽器のアドリブが展開します。パーティーの時等にBGMとして流しっぱなしにしておくとお客に興味を持たれるかもしれません。本作中アフロキューバン色が最も出た曲で、演奏の展開にもメリハリがあり退屈しません。
追記 : 「マンデー・アット・ザ・ヴィレッジゲート」は、同じヴィレッジゲートでも、'65年の別のライブになりますが、ピアノにチック・コリアが参加。■1961年ニューヨークにて録音。■レーベル:アトランティック。■フルート=
ハービー・マン。ヴィブラフォン=ハイグッド・ハーディー。ベース=ベン・タッカー、アーマッド・アブドル・マリク。ドラムス=ルディ・コリンズ。パーカッション=レイ・マンティラ、チーフ・ベイ。