まず最初に断っておきたいのは、これはジャズのアルバムではありません。例えばズート・シムスの'62「ニュービート・ボサノバ」。キャノンボール・アダレイ、
'63「キャノンボール・ボサノバ」。ポール・デズモンド、'64「ボッサ・アンティグア」。アイク・ケベック、'62「ボサノバ・ソウル・サンバ」等、同時期に盛んに録音された"アメ・ボサ"の様に、ジャズに取り入れたボサノバとは全く別物で、ハービー・マンがアルト・フルートを武器に本場、"リオデジャネイロ"に於いて
アントニオ・カルロス・ジョビン、セルジオ・メンデス、バーデン・パウエル等ブラジルの巨人達、加えてホーンやパーカッション、オーケストラ等全て本場の奏者達と、それも曲毎にアンサンブルを替えて挑んだ正統派ボサノバアルバムです。「ボサノバとはこれ」と言わんばかりにふんだんに打楽器を盛り込んだ傑作盤になりました。主役のフルートやギターは勿論、サックス、ピアノのソロも冴えています。ボサノバ・ブームが始まったばかりの本作録音の1962年当時としてはアメリカのレーベル、"アトランティック"が徹頭徹尾忠実にボサノバを再現しようと言う試みをした非常に価値のある一枚!。
ジャズ性にこだわらない条件付きで、初心者充分OKの推薦盤です。一曲目、「イット・マスト・ビ・ラヴ(デベ・セル・アモール)」は、かわいらしい感じの解り易いメロディーです。2曲目、「アグリー・ガール(ミニナ・フェイア)」。ラテン系パーカッションが、ド派手で、ボサノバと言うよりサンバの明るさです。小鳥のさえずりの様なマンのフルートが元気です。3曲目、「ラブ・イン・ピース(アモール・エン・パス)」、この柔らかさが実に心地よいです。如何にアルト・フルートがボサノバ・オーケストラにぴったりかを説得させられます。4曲目、「ユー・アンド・アイ(ヴォセ・イ・エウ)」。2曲目同様のアップテンポで明るい感じの曲ですが、どちらかと言うとこの曲の方が初心者に解り易く親しみ安い気がします。5曲目、「ワン・ノート・サンバ」。いきなりジョビンのヴォーカルが飛び出してびっくりしますが、結構あちこちでインストルメンタルとして扱われます。ジョビン歌声、マンのアルト・フルート、オーケストラ、これらに共通している魅力はズバリ、"暖か味"なのでしょう。6曲目、「ブルース・ウォーク」。ダイナミックなアップテンポの曲です。7曲目、「コンソレーション」。エキゾチックでマイナーな感じの静かな曲です。ジャズシーンでは、あまり聴かれる事の無いタイプの曲です。ギターはバーデン・パウエルです。8曲目、「ボッサ・ヴェリア」。マンのオリジナルで、フルートも勿論出てきますが主役は大人数のパーカッションでカーニバル気分を味わえます。■
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