フレディー・ローチのオルガンがアイク・ケベックのソウルフルなテナーとすごくマッチしていて完成度の高いアルバムです。1曲目、表題曲、「イット・マイト・アズ・ウエル・ビ・スプリング(春の如く)」。リチャード・ロジャースの作曲した映画音楽でアイク・ケベックの得意とするバラードナンバーです。実際ケベックは、この曲の演奏を熱望していたと言うだけあって低音を得意とするケベックのテナーが甘く情感豊かに謳いあげています。短いですがフレディー・ローチのソロもあります。そして、2曲目、3曲目とケベックのオリジナルが続きます。2曲目、「ア・ライト・リプリーブ」。子気味良いテンポのお気に入りナンバーです。ケベックは録音当時40代のオヤジだった筈ですが、なかなかどうして!ここでは凄くのっています。ジミー・スミスを思わせるフレディー・ローチのオルガンソロ部の切り込み具合がクールでカッコ良いです。ケベックはこの様なモダンでスイング感溢れる曲も得意です。3曲目、「イージー・ドント・ハート」。ベースソロの導入部が気が利いている、スローテンポのブルージーなブルースで、ドラムスに加えて何か他の原始的な太鼓の様な打楽器が効果的に使われています。そして、ここでもフレディー・ローチのオルガンソロがうまいです。4曲目、「ラヴァー・マン」。歌手のビリー・ホリディによるヒットで知られた有名曲で、6曲目の「ウイロー・ウイープ・フォーミー」同様ジャズシーンではよく演奏されるスタンダードです。5曲目、「オル・マン・リヴァー」。決して早いアップテンポでは無いのですが、軽快なリズムの曲で佳境に入ってくるとケベックのテナーがだんだんエスカレートし、低音から高音まで縦横無尽に駆け巡ります。フレディ・ローチのバックアップも含め、エキサイティングな演奏です。6曲目、「ウイロー・ウィープ・フォー・ミー」。これはあちこちでよく演奏されるスタンダード!。私はこの曲の様々な歌手の歌から、いろんな演奏を沢山聴いてきました。ここではアイク・ケベックはアドリブを交えながら、丁寧に演奏しています。ちょっと気が付いたんですが、私がアイク・ケベックを聴き始めたのは最近なのですが実はサラ・ボーンの歌う、「イット・マイト・アズ・ウエル・ビ・スプリング(春の如く)」と、「ウイロー・ウィープ・フォー・ミー」を本作の存在を知らずにずっと愛聴しておりました。
初心者推薦盤。
■1961年、ニュージャージーにて録音。■レーベル : ブルーノート
■テナーサックス=
アイク・ケベック。オルガン=フレディ・ローチ。ベース=ミルト・ヒントン。
ドラムス=アル・ヘアウッド。