テナーサックス奏者のスタン・ゲッツが、ヴィブラフォン奏者であり、アレンジャー、コンダクターの
ゲイリー・マクファーランドと共に残したボサノヴァ・ビッグバンドの最高傑作です。こんな迫力のあるヴォリューム満点の演奏が今から40年も前に作られたのかと思うと驚愕です。マクファーランドのアレンジ、アントニオ・カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルトの曲等に加えて、ルイス・ボンファの名曲「黒いオルフェ(カーニバルの朝)」で始まると言うジャズのみならずボサノヴァの
入門編としても充分に価値のある一枚です。ダイナミックでパワフル、豪華な演奏が繰り広げられます。一曲目、「黒いオルフェ(カーニバルの朝)」は同名映画のテーマ曲で大ヒットしジャズシーンに於いてもすっかりスタンダードとして認知されています。どれだけ多くの名演奏が録音された事でしょう。ここではジム・ホールの囁くようなギターによる導入部からビッグバンドに移行する過程が実にニクイです。2曲目、「ストリート・ダンス」。映画、"黒いオルフェ"の一シーンに触発されてマクファーランドが書いた曲です。軽快で明るいサンバです。3曲目、「メランコリー」。マクファーランドのオリジナルでヴァースのテナーをゲッツが担当しています。ハンク・ジョーンズによるピアノソロ。4曲目、「シンパシー・ビトウィーン・フレンズ」。スタン・ゲッツの優しいテナーが主役でオーケストラとの絡みが素晴らしいです。5曲目、「ノー・モア・ブルース」。スローテンポの曲でゲッツによるテナーが主役と言う訳ではなく、トランペットを初めとする他のホーンや、ピアノ、オーケストラとのアンサンブルが良く出来ています。6曲目、「ナイト・サッドネス」。マクファーランドのオリジナルで、ハンク・ジョーンズによるピアノのイントロが目玉です。ピアノソロの後のゲッツによる緩やかなテナーが何とも言えません。ホーンによる緊迫感溢れるテーマ部も特徴があります。7曲目、「ワン・ノート・サンバ」。これはおなじみ!ちまたでよく聴くボサノヴァのスタンダードで、アントニオ・カルロス・ジョビンのヒット曲!ジョアン・ジルベルトの歌がヒットしました。マクファーランドのライナー記述によるとこの演奏はジルベルトの歌が元になっているとの事です。最後の曲、「ビム・ボム」。これだけ英語のタイトルが在りませんがジョアン・ジルベルトのオリジナルです。オーケストラによる強烈なフレーズも素晴らしいですがやはり何と言ってもゲッツのテナーとホールのギターが聴き所です。
■1962年ニューヨークにて録音。■レーベル:ヴァーブ。 ■テナーサックス=
スタン・ゲッツ、一部の曲のみ ピアノ=ハンク・ジョーンズ、ギター=ジム・ホール。他