このアルバムは サド・ジョーンズの代表作として、名門レーベル、ブルー・ノートの初期の傑作のひとつに挙げられる名盤です。ベース=パーシー・ヒース、ドラムス=マックス・ローチ、という豪華なバックアップです。主役のサド・ジョーンズも勿論そうですが、テナーのビリー・ミッチェルへの評価は個人的に高いです。ピアノはバリー・ハリスと言う人物で、
あまり有名ではありませんが、リー・モーガンの「サイドワインダー」やデクスターゴードン、キャノンボールアダレイのヒットアルバムにも参加し、自分のアルバムも出しているピアノの巨匠の一人です。ただ本作でもドラムスにマックス・ローチが参加していることからリー・モーガンつながりで、この「マグニフィセント」を主役(トランペット)を変えたモーガンのアンサンブルと捉えるのも面白いかも知れません。出だしの一曲目から、カウント・ベイシー楽団でもヒットした、"パリの四月、エイプリル・イン・パリス"です。実はベイシーオーケストラの同曲の別テイクにテンポの早い物もあるようですが、ここでは、サド・ジョーンズは、非常にゆっくりと一音一音をかみ締めるように演奏しています。この曲はビッグ・バンドで大掛りにやってこそと言う先入観があったのですが、ここでは楽器編成も5人のコンボですので、ビッグバンドとは印象が違い、とても落ち着いた感じです。初めて聴いたときはかなり唸りました。2曲目、"ビリー・ドゥー"の"ビリー"はビリー・ミッチェルの事でしょうか?サド・ジョーンズのオリジナル曲で、歩きなれた路を気楽に散策している様なイメージの曲です。スローテンポですがどこか軽快さを感じるメロディーです。3曲目、"イフ・アイ・ラブ・アゲイン"では、バリー・ハリスのピアノソロ、マックス・ローチのドラムソロが聴け、腕の見せ所ですが、ビリー・ミッチェルのテナーも頑張っており、アンサンブルのバランスの良さが際立っています。4曲目、"イフ・サムワン・バット・トールドミー"は、甘く、ロマンチックな感じの曲。ジョーンズはこのような曲も得意な様です。5曲目、"シーディア"も2曲目同様、サド・ジョーンズのオリジナル。モダンで都会的なミデアムテンポの傑作で、パーシー・ヒースのベースソロが気が利いてます。盤全体を通して言える事は、どの曲もメロディーが初心者に解り易く、
初心者度5ツ星と言えるでしょう。
■1956年7月録音。■レーベル : ブルー・ノート
■トランペット、
サド・ジョーンズ テナーサックス、ビリー・ミッチェル ピアノ、バリー・ハリス
ベース、パーシー・ヒース ドラムス、マックス・ローチ